10月に入り、日本では新型コロナウイルスのワクチン接種率が国民の6割を超えています。接種に用いた主なワクチンは、ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンという新しいタイプのワクチンです。さらに、これらのワクチンが流行開始から1年ほどで開発された製剤であるため、2021年2月に接種開始した当初は、効果や副反応について心配する声が数多く上がりました。それから半年以上が経過して、効果の高い安全なワクチンであることが明らかになっています。その一方で、まれに発生する副反応の実態も明らかになってきました。今回は新型コロナワクチンの副反応の現状について解説します。(濱田篤郎・東京医科大学病院渡航者医療センター特任教授)

 ◇前例のない高速大量接種

 日本では21年2月から9月末までに、約7500万人の国民が新型コロナワクチンの接種を受けました。20世紀以降、多くのワクチンが開発され、接種が行われてきましたが、これほど短期間に大量の人が接種を受けることはありませんでした。例えば、季節性インフルエンザワクチンの年間接種率は、日本では国民の3〜4割です。また、09年に新型インフルエンザが流行した時には、日本で半年間に約2000万人がワクチン接種を受けました。こうした過去の事例と比べても、新型コロナワクチンが、いかに短期間で多くの人々に接種されたかが分かります。

 さらに、今回、日本で主に使用されたのはファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンでした。これはウイルスの核酸成分であるmRNAを接種して免疫を付けるもので、今までに実用化されたことのないタイプでした。しかも、新型コロナの流行が始まってから約1年で開発承認されているワクチンです。このため、「これほど短期間に開発されたワクチンが有効で安全なのか?」という声が多数上がりました。

 そんな不安のある中で実際に使用してみると、mRNAワクチンは有効性が高く、重篤な副反応も少ない安全なワクチンであることが明らかになってきました。

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時事通信 10/7(木) 14:00
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