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中国は科挙試験が影響してる

科目が法律や財政、政治論や基礎教養、詩作などだが、
自然科学を問う試験はほぼなされなかった
民間からは様々な実用的な技術開発がなされたが、基礎科学の発展が滞ってしまった
ようするに、文系の人材しかエリートになれなかった

そのため、宋の時代にはペルシャと並び世界の先進国だった中国だが、
基礎科学を地道に積み重ね続けた西欧に16世紀ごろには追い抜かれ、
近代において西欧や日本に蚕食されることになってしまった

また科挙で選出されるのは文官であり、科挙が始まった隋以降の中国は文治主義だった
シビリアンコントロールが徹底されていたわけだが、「尚文軽武」であり、
実は中世以降の中国は軍事的には弱く、元王朝や清王朝も、
宋や明の経済的衰退を突かれて武力で統治権を簒奪されてる
春秋戦国時代や三国志時代のような武人が、それ以降現れなくなったのは、おそらく科挙制度の影響

もともと南北朝時代、南北両朝はどちらも門閥貴族たちが力を持ちすぎてしまったために政権が不安定だった
幾度も政権が交代し、政局は混乱し内乱も外患も絶えず、戦乱の時代だった
そのため隋王朝時代、科挙制度が始められることとなった経緯がある

これはまず、門閥貴族を抑えるために、皇帝に権力を集中させ、
(この際、隋の楊堅や唐の李淵、李世民は多くの門閥貴族を誅殺している)
そして絶対権力者である皇帝の諮問機関に官僚を科挙試験で登用、
その身分を世襲とせず一代限りとし、有力な貴族の台頭を抑える・・・

これにより南北朝時代のような混乱と戦争の時代は終止符を打ち、
唐、宋、明、清のような長期にわたる統一政権が可能にはなったが、
その代わり、前出のような問題が捨て置かれることになってしまった

今、中国がなりふり構わず科学技術に力を入れてるのは、
おそらくこのことが分かってるからだと思う