●「違法な言論は民主主義を歪める」

弁護士ドットコムニュースの取材に対して、小西議員は訴訟の目的を次のように語る。

「訴訟の目的は、名誉毀損に対する損害賠償請求や、ツイートの削除要求、謝罪広告の掲示を求めています。

ただ、Dappi氏おいては、この訴状の対象である名誉毀損行為以外にも、わたしや野党議員に対して、違法行為と思えるツイートを繰り返してきました。

政治家の言論が、適正な批判あるいは国民のみなさまからの監視を受けることは、民主主義社会にとって必要不可欠なことだと考えています。

しかし、Dappi氏は国会議員の発言を意図的に改変して、まったく別の発言のようにするということは、言論の自由、また民主主義のプロセスの中にあるべき批判と監視のあり方ではないと思います。

そうした言論は、かえって民主主義を歪めるものになると思いますので、この訴訟を通じて社会におけるそうした歪んだ言論のあり方が是正されることを願っています」

●プラットフォームの責任

一方で、ネット上の名誉毀損について、手続きや訴訟の難しさも指摘した。

「ネット上の違法な言論については、社会の中で厳しく責任が問われるべきだと思っていますが、制度上の課題も大きいと思っています。発信者情報開示請求の手続きは難しく、費用もかかります。

開示が認められ、提訴して裁判で勝ったとしても、得られる賠償金額はかかった費用よりも少ない場合があります。ですので、今後、こうした手続きやその費用面が負担軽減されることが望ましいと考えています」

また、小西議員は以前、ツイッターで、Dappiとは別のアカウントから「殺害予告」を受けたことがあるという。

「その時は、『お前を殺す』と同じ人物が3回、ツイートしました。そこで即座に警察に通報して結局、有罪となったのですが、ツイッター社に連絡してただちに削除してほしいむね要請しましたが、迅速とはいいがたい対応だったと思います。

プラットフォームの責任は大きいと思っています。明らかに違法な殺害予告や差別の投稿などに対しては、迅速かつ適切な対処をおこない、違法行為の停止と被害者の救済をとる必要があるでしょう。社会的責任を果たせる体制を整えてほしいと思います」