日刊現代 デジタル 10/10
新型コロナウイルスに対するワクチンの有効率は、日本で接種が進んでいるファイザー/ビオンテック社製ワクチンで95%、モデルナ社製ワクチンで94.1%と、いずれも優れた感染予防効果を有しています。一方で、ワクチン接種から時間が経つと体内のウイルス抗体量が減少し、有効率が低下するのではないか、という懸念もありました。

 そんな中、ファイザー/ビオンテック社製ワクチンの長期的な有効性を検討した研究論文が、世界的にも有名な医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の電子版に2021年9月15日付で掲載されました。

 この研究では、16歳以上の4万4165人と12〜15歳の2264人が対象となっています。被験者は3週間の間隔で2回、新型コロナウイルスワクチンを接種する群と、プラセボを接種する群にランダムに割り付けられ、接種から6カ月にわたり新型コロナウイルス感染症の発症率が比較されました。

 最終的に評価が可能であった4万2094人のうち、新型コロナウイルスに感染していたのはワクチン接種群で77人、プラセボ接種群で850人であり、発症率の比をもとに算出したワクチンの有効率は91.3%でした。また、重症の新型コロナウイルス感染症に対する有効率についても96.7%と、接種から半年経過しても有効率は依然として高いままでした。

 体内のウイルス抗体量が低下したとしても、効果が大きく減弱するわけではありません。

今後の研究報告に注目しつつ、3回目の接種なども考慮していく必要があるかもしれません。