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 衆院選が19日公示され、経済政策、新型コロナウイルス対策などをめぐり、各党の論戦が始まった。株式市場関係者は与党が勝利するかどうかに関心を寄せており、与党勝利なら株価には追い風になるとの声が出ている。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、「岸田文雄首相が長期政権の足場を固めるかがカギになる」と指摘する。岸田政権が短命なら、迅速な経済対策が困難になると予想されるためだ。
 岸田首相は「数十兆円規模」の経済対策に言及しているが、具体的な中身は見通せない。「投資家の期待をつなぐには経済成長の時間軸を示すことが必要だ」(中堅証券)との声もある。

 衆院選が株式市場に与える影響は小さいとの見方もある。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「与党がよほど苦戦しなければ株価への影響はない」とみている。市場では、米中の景気減速、原油価格高騰などの懸念材料があり、10月下旬からは企業の決算発表も本格化する。このため、「国内政治は副次的なテーマになる」という。

 日経平均株価は、菅義偉前首相が退陣を表明すると新政権への期待感から急上昇した。岸田氏が自民党総裁選で勝利した後は、米政府の債務上限問題や中国の不動産大手の経営不安などが重なり、急落した。日経平均はその後、米債務不安の後退などで2万9000円台に持ち直し、公示日19日の終値は小幅反発した。市場の経験則では、衆院解散から投開票日までの間は株価が上がるケースが多いという。