FNNプライムオンライン 10/31(日) 18:21

人体に入ると、肝機能障害を引き起こす寄生虫の一種「エキノコックス」。自然界ではキツネと野ネズミに寄生していて、人への感染は、主に北海道で確認されている。

ところが近年、愛知県の知多半島で捕獲された野犬の感染確認が相次ぐようになった。愛知県では2017年度に3件、19年度に1件、20年度に4件、犬の感染が確認されている。

厚生労働省によると、2021年の犬の感染確認の全国合計は2匹で、2匹とも愛知だった。

そして「エキノコックス」の人の感染例は北海道が多く、毎年10数人の感染が確認されている。厚生労働省によると、2021年の全国の合計は20人で、そのうち北海道が16人。北海道以外では、東京1人、神奈川1人、長野1人、岐阜1人だった。

エキノコックスによる感染症「エキノコックス症」。人にはどのような経路で感染し、人から人に感染するものなのか?

また、なぜ北海道での感染確認が多く、近年、愛知で野犬の感染が確認されるようになったのだろうか? そして、今の日本での感染状況をどのように受け止めればよいのか?

まずは、野犬の感染確認が相次いでいる愛知県の担当者に話を聞いた。

「人から人には感染しない」
――エキノコックス症というのは、どのような感染症?

エキノコックス症とは、寄生虫の一種であるエキノコックスによる感染症です。エキノコックスは、国内では主に北海道に生息しています。

エキノコックスは、「虫の卵」がネズミの体内に入って幼虫となり、そのネズミをキツネやイヌが食べることで成虫となり、成虫が産卵した「虫の卵」がキツネやイヌの便といっしょに体の外に出る、という感染サイクルを繰り返しています。

――人にはどのような経路で感染する?

「虫の卵」を人が口にすることで体内に入ります。「虫の卵」は幼虫にはなりますが、人の体内では成虫になることはないため、卵を産むこともありません。ですので、人から人には感染しない、ということになります。

――人が感染したら、どのような症状が出る?

人のエキノコックス症は潜伏期間が非常に長い感染症です。一般的には、初期症状が現れるまで10年以上かかると言われています。症状は肝臓の腫大、腹痛、黄疸、貧血、発熱やお腹に水が貯まるなどです。

――人が感染しないためには、どのようなことに気を付ければよい?

エキノコックス症の「虫の卵」を体内に入れないことが大切です。

具体的な予防方法としては、野山に出かけ、帰ったときはよく手を洗う、沢や川の生水は飲まない、山菜や野菜、果物をよく洗ってから食べる、などです。また、犬の放し飼いをしないことや、散歩中に犬に拾い食いをさせないことも大切です。

――人に感染する可能性は低いとみて大丈夫?

感染機会は限定されているため、予防方法に努めることで感染は予防できるものと考えます。

愛知県「現在は他県に広がるような状況ではない」
――愛知県ではこれまでにどのぐらいの件数が確認されている?

愛知県において、犬のエキノコックス症は、平成26年(2014年)に初めて届出がされています。その後、平成29年度(2017年度)に3件、令和元年度(2019年度)に1件、令和2年度(2020年度)に4件の発生届が出されています。

※続きはリンク先で
https://news.yahoo.co.jp/articles/511db9812d3528675f93d0d1e4d294e6e4638427