2021年11月25日 18時16分
マクドナルドの「三角チョコパイ」を無料で配布するーー。ある男性のTwitter投稿をみた若者らが、富山駅(富山県富山市)前に集まり、警察まで出動する騒動に発展した。

実はこの騒動は3年前にも起こっている。いったい何があったのか。

●数百人の若者が「三角チョコパイ」もとめてワラワラと…
北國新聞の朝刊記事(11月20日)によれば、19日午後4時ころ、富山駅南口周辺に高校生ら若者数百人が集まったという。

時間と場所を示して「三角チョコパイ2000個」の配布予告がツイッターに投稿されたことが理由のようだ。

「企画」の主催者とみられる男性は、11月18日、「【3年前に炎上したあの企画やります】11/19 16時?富山駅前にて三角チョコパイ2000個配ります!たくさんの方お待ちしております」と投稿していた。

同じ投稿主によれば、2000個のチョコパイすべてを配り切ったようだ。

しかしながら、先の記事は、当日の配布行動を警察が止めようとしていたとも報じている。

「富山中央署員や富山市役所職員ら数十人が富山駅周辺で警戒に当たった。投稿したとみられる男数人が若者約50人に囲まれ、約1時間ほど駅近くの広場にとどまった。チョコパイを配ろうとするのを署員らに制止される場面もあった。」(北國新聞記事から)

●2018年にも警察沙汰になっている
主催者とみられる男性が書いた「3年前に炎上したあの企画」とは、2018年11月に富山駅で実際にあったものだ。

当日の新聞報道によれば、大学生らが同年11月5日、ツイッターで告知したうえで、富山駅前でマクドナルドのチョコレートパイ1000個以上を無料配布する「パイ祭り」なるイベントをおこなった。

この際、現場に殺到した高校生らによって、駐車場のフェンスが破損するトラブルが発生し、警察も出動した。

それをうけて、学生らが通う地元大学が「本学学生の迷惑行為について(お詫び)」とする声明を発表する事態にまで騒動は大きくなっていた。

富山市の40代会社員男性は、「配る方ももらう方もなんだかさもしいですよね。今どき、どこの誰かも分からない人が無料で配ったものなんて口にしたくもない。チョコパイを配るほどお金が余っているなら、どこかに寄付したらいいのに」と冷めた視線を送る。

●無料配布イベントで人を集めるのは問題?
今回は、物が壊されるようなトラブルは発生していないようだが、それでも、無料配布イベントを告知して人を大量に集める行為には、何か法的に問題があるのだろうか。

西口竜司弁護士は、「報道を聴いたとき、『またか』という感じでした」と話す。

「無料配布を呼びかけて2000人も来たら、駅前は大混乱でけが人が出てもおかしくありませんよね。前回もフェンスが壊れる事態となっていることから、トラブルに発展する事態の可能性も予測できたはずです。

そのようなこともあって警察などが動いたのではないでしょうか。

実際にどれだけの人数が集まったのかはわからないのですが、場合によっては、警察や駅の業務を妨害したとして、業務妨害罪にあたる可能性も考えられます。

今回に限らず、ネットで発信する人は思っている以上に、世の中への影響が大きいことを自覚しないといけませんね」(同)

●マクドナルド社の「協力」?
今回の配布企画を実施した理由などを聞くため、弁護士ドットコムニュースでは11月25日、イベントを予告していた人物にツイッターのDMを通じて、取材を申し込んだが、返信はない。

なお、主催者の男性は、「ご協力いただいたマクドナルドさんありがとうございました」と投稿している。2000個もの大量の三角チョコパイを用意するのは大変な労力がかかる作業だ。マクドナルドはこの企画に協力する立場だったのだろうか。

弁護士ドットコムニュースでは、日本マクドナルド社にも見解を求めている。コメントがあれば追記する。

弁護士ドットコム2021年11月25日 18時16分
https://www.bengo4.com/c_1009/n_13822/