2021年12月2日 16時07分医療

「どの病院が私を診てくれるのかわかりません。ずっと治りません。私はどうすればいいですか」
取材で出会った女性は、全国で20万人以上も患者がいるとされる病気を患っていました。しかし長い間治療を受けられず、自分が病気であることすらわかりませんでした。
“最も死亡率の高い精神疾患”とも呼ばれる深刻な病の医療に、命の問題につながりかねない大きな地域格差が存在しています。
(金沢放送局記者 園山紗和)





脳も萎縮/深刻な病の実態

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「写真の黒いところは脳が痩せてしまっているところです。脳に栄養が届かず、溝がたくさんできている」
重症の摂食障害と診断された10代の少女の脳のCT画像です。

少女は病院に運ばれたとき、体重が32キロにまで落ちた状態で、全身の筋肉だけではなく、脳にまで萎縮が起きていました。

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入院した少女の治療を担当した金沢大学附属病院の精神科医 内藤暢茂医師は、摂食障害が人の認知機能にも影響を与えるおそれがあると指摘しました。

内藤暢茂医師
「この脳の状態では、思考力や集中力などが働かない。『痩せすぎだから、もう少し栄養をとって』と伝えても、ここまで深刻になると、言葉が頭に入ってこない」




死亡率が高い疾患

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摂食障害は、「食べる」という行為を自分の意思ではコントロールできなくなる精神疾患です。

拒食や過食、それらを交互に繰り返してしまうといった症状があり、さまざまな合併症のほか、自殺で患者が亡くなるケースも少なくないということです。

内藤暢茂医師
「毛が抜ける人もいるし、骨折しやすくなるとか、筋力がなくなって本当にひどい人だと首も座らなくなって歩けなくなってしまうこともあります。精神的な部分も非常に問題で、症状が悪化してしまうと、死んでしまった方が楽だと考えてしまう」





医療チーム

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金沢大学附属病院は、摂食障害治療の医療チームがある石川県内で数少ない病院です。

内藤医師ら精神科医のほか、看護師、心理士や栄養士、ソーシャルワーカーなどが、1人の患者に5人以上の体制を組んで、退院後も含めた継続的なケアにあたります。

看護師
「退院しても再入院する人を何人も見てきました。摂食障害は、薬では治せない精神疾患です。継続して回復を支えることが大切になってきます」

栄養士
「家庭での食事をどうするか困っている方が多い。退院の時にはご家族とも顔を合わせながら、自宅でどのくらいの食事を出したらよいのか、伝えます」



偏在する病院

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     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211202/k10013366151000.html