年収格差800万! 
韓国ではハイスペ人材でも一寸先はワープア
https://jisin.jp/international/knews/1935130/

「韓国の大企業比率は0.1%に満たず、OECD加盟国のなかでも最下位圏。また日本で言う中企業の層も非常に薄いため、極めて就職口は少ないです」

「構造的な問題ですね。韓国は、大企業比率が最下位圏なのに対し、大卒割合は約7割でOECDのなかでもトップと、ねじれが生まれてしまっています。極めて少ない就職口を、極めて多い大卒者が奪い合う状況です」

「日本の新卒採用は世界的にもめずらしい教育志向ですが、韓国をはじめ海外は即戦力重視の採用。学生も勝ち抜くべく多くのスキルを身につけています。

韓国の学生の多くは、幼少期から勉強漬けの日々を経て、やっとの思いで大学に入学。
入学後も息つく暇はなく、日本の学生の比じゃない量の勉学に励み、多数の資格を取得して就活に備えます。

学位は二つ取り、TOEICは900点、それにくわえてMOS(Microsoft Office Specialist)資格といった情報処理系の資格も複数取得、海外留学といった高スペックはサムソン等の大企業ではザラなんです」

「大手だと30代で1,000万円くらいの年収にもなるのですが、それ以外の企業だと200〜300万円ほど。賃金格差が日本以上にひどいのが実情です。

一次労働市場と二次労働市場という、日本でいうところの正規・非正規雇用の格差も存在しています。産業構造の硬直化のせいで、こちらも日本以上に二次から脱し一次へ移ることが困難ですね」

大学まで出たのに、とブルーカラーの仕事などは嫌がりますね。といっても働かないわけにもいかず、どうにか得た仕事が月13万円とか、いわゆるワープア状態に陥った大卒貧困者は多いです」

「大手にも大手のデメリットがあるんです。長時間労働で駒の様に扱われることもありますし、大企業40代定年説なんてものもあります。一定の年齢までに役職付きの出世コースに乗れなければ、退職に向かわされてしまうんですが、もともと歯車として働かされているのでスキルが空洞化し、転職の道も厳しくなりがち」

『韓国の若者』安宿緑 より