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カツオ窃盗事件を巡り、大洋エーアンドエフ焼津営業所の家宅捜索で押収した書類を運び出す静岡県警の捜査員ら=静岡県焼津市で

焼津港の冷凍カツオ窃盗事件に関与か 静岡県警がマルハニチロ子会社を家宅捜索
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 静岡県焼津市の焼津港で水揚げされた冷凍カツオの窃盗事件を巡り、県警は22日、窃盗の疑いで、水産会社「大洋エーアンドエフ」の本社(東京都中央区)や焼津営業所(焼津市)などを家宅捜索した。

 同社は、大手水産会社「マルハニチロ」(本社・東京)の完全子会社で、同社の漁業部門を担っている。宮城県の船会社が「冷凍カツオ10トンを盗まれた」として焼津署に被害届を出していた関連で、関与した疑いが浮上した。

 一連の捜査で、県警は既に運送会社「ホクユウ」(神奈川県大井町)や冷凍倉庫会社「焼津マリンセンター」(焼津市田尻)などを家宅捜索した。大洋エーアンドエフの関与も調べる。

 同社の焼津営業所で、午前9時半ごろから始まった家宅捜索は、午後零時半まで続いた。家宅捜索後、捜査員約10人が資料の入った段ボール10箱以上を捜査車両に積み込み、同営業所を後にした。

 大洋エーアンドエフ本社の担当者は「社として窃盗には関わっていない。ただ、警察から弊社の者が関わったと聞いている」と話した。親会社のマルハニチロの広報は「事態を非常に重く受け止めており、警察の捜査に全面的に協力していきたい」とのコメントを出した。

 大洋エーアンドエフは自社のホームページ上で「(漁業においては)日本のリーディングカンパニー」と称しており、カツオ漁などを担う海外巻き網漁船は、5隻を保有。東京商工リサーチによると、同社の3月期決算の売り上げは約280億円で、漁業を担う企業の売り上げとしては全国有数の規模を誇る。

 窃盗事件ではこれまで、焼津市内の船会社が水揚げした冷凍カツオの一部を抜き取ったとして、焼津漁協職員や水産加工会社元社長、運送会社社員ら7人が逮捕され、うち5人が起訴された。焼津漁協は職員の逮捕を受け、独自の調査委員会を設置。11月に報告書をまとめ、少なくとも20年前から、漁港内で冷凍カツオの窃盗があったことを認めている。

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