2021.12.30
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早朝5時に営まれた神事=2021年12月4日午前5時1分、兵庫県丹波篠山市犬飼で
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「その神社の当番になった人は1年間、牛肉食べたらあかんらしいで」―。始まりは知人から寄せられた情報だった。聞けば兵庫県丹波篠山市犬飼にある「大歳神社」のことらしい。興味をそそられ、深く調べていくと、牛肉の話は神事の一部に過ぎないこと、そして、神やもののけに人間をいけにえとしてささげる「人身御供伝説」と、集落名にある「犬」の存在が見えてきた。さらに背後には、ある大物の名も見え隠れする。夜も明けない12月4日午前5時、今年も神事が営まれた神社に足を運んだ。


◆生きた魚ささげ 子孫繁栄を祈る


供物の生きた魚(コイ)をささげる氏子たち
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闇の中に灯籠と焚き火、ちょうちんの明かりがぼんやりと浮かぶ境内。数人の氏子がいそいそと準備を進めている。

拝殿には11種類の供物が並んでいた。餅や神酒、塩などオーソドックスなものの中で、ひときわ異彩を放っているのが水鉢だ。中を覗き込むと、赤と黒のコイが1匹ずつ泳いでいた。

「なんでか分からんけど、生きた川魚を供えることになっています。祝詞の中にも出てくるから聞いてみて」と、住民が教えてくれた。

正装姿で座した住民の前に一瀬貞明宮司が現れた。静寂に包まれた境内に祝詞と柏手が響き渡る。祝詞からは、里を守ることや家内安全、子孫繁栄、五穀豊穣などを祈願したことが聞き取れた。確かに「生きた川魚」という言葉もあった。

少しだけ白み始めた空の下、神事は約30分で終わった。夜明け前ということや生きた川魚を供える以外、特に変わった点はなかった。

神事後の直会(なおらい)では、供物の炊いた白米と神酒などが振る舞われた。コロナ禍以前は会食し、午前7時からは境内で餅まきも行われていたそう。

「祭りは12月最初の戌(いぬ)の日と決まっている。今年はたまたま土曜日やったけど、平日が祭りの日もある。そのまま仕事に行ったときの眠いこと、眠いこと」と住民が笑った。

一瀬宮司は、「夜も明けない早朝であることなど、知る限り、市内ではかなり珍しい神事」と言う。

住民にくだんの「当番は牛肉を食べてはいけない」という話を尋ねると、「確かにそう」。ただ、なぜいけないのかは定かではなく、「農家が多いし、牛は大切な家族だったからでは」「なんで豚とか鶏はええんかなあ」―などさまざまな声があった。

おそらく神道で身を清める「潔斎」として肉を食べないことが今も残っているのだと思われた。

 


◆化け物の正体に さまざまな説も

◆お参りの代表 くじで決める

◆地名から連想 作った伝説?

◆大怨霊を祭り 慰撫が目的か
     ===== 後略 =====
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