アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が開いた先月の会合で、参加者から、想定よりも速いペースで利上げを実施すべきとする意見が出ていたことが分かり、インフレの抑制に向けて金融の引き締めを急ぐ可能性が示されました。

FRBは、先月開いた会合で、記録的なインフレを抑えるため、コロナ禍の経済を下支えしてきた量的緩和策を前倒しして終了させることを決めるとともに、ことし3回の利上げを行う想定を示しました。

5日に公表されたこの会合の議事録によりますと、利上げの進め方をめぐって、参加者から「インフレ圧力や雇用の改善を踏まえれば、これまでの想定よりも速いペースで実施されるべきだ」とする意見が出ていたことがわかりました。

さらに、利上げを始めたあと、これまで景気の下支えのために購入してきた国債などの保有資産の圧縮に踏み切るべきだとする意見も相次いでいて、インフレ対応を進めるため、金融の引き締めを急ぐ可能性が示されました。

金融の引き締めが遅れればインフレの長期化につながる一方、引き締めを急ぎすぎるとかえって景気を冷やすおそれもあることから、世界経済に大きな影響を及ぼすFRBの金融政策のかじ取りが一段と重要性を増すことになりそうです。

NHK NEWS WEB
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