フィリピン保健省は8日、新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が2万6458人だったと発表した。
2021年9月11日の2万6303人を上回り過去最多となった。年末以降に感染者数が急増しており警戒感が高まっている。

21年12月中旬は1日あたりの新規感染者数が300人を下回る日が続いていた。
年明け1月5日以降は1万人を超え、およそ4カ月ぶりに過去最多となった。

フィリピンはキリスト教徒が多く、年末は家族が再会する時期となっている。
年末から人出が増えたことが感染者の急増につながったとみられている。

マニラ首都圏の繁華街ボニファシオ・ハイストリートでは8日、立ち並ぶ店が入り口に「ノーバックスカード・ノーエントリー」(ワクチン証明書なしの入店お断り)と張り紙を出していた。

年始からマニラをはじめ各地で移動・行動制限の警戒レベルを引き上げたためで、ワクチンを接種していないと行動は制限されている。

同国はすでに新型コロナワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)を開始した。
ただ、新たな変異型である「オミクロン型」への警戒感から接種会場に人が殺到しているため、混雑を理由に接種を控えるケースも少なくない。

未接種者が依然多いことも課題だ。英オックスフォード大の研究者らでつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると
12月上旬時点でフィリピンの接種完了率は34%にとどまる。

ドゥテルテ大統領は6日のテレビ演説で、ワクチン未接種者が自宅待機の指示に従わない場合は「拘束し逮捕できる」と発言した。

感染予防対策の徹底に加えワクチン接種を促す狙いがあるとみられる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM082F30Y2A100C2000000/