17日に開幕するテニスの4大大会、全豪オープン(メルボルン)に出場予定の男子世界ランキング1位ノバク・ジョコビッチ選手(34)が、
オーストラリア国境警備隊に入国を拒否された問題が外交問題に発展しそうな雰囲気になってきた。

オーストラリア国境警備隊は、入国拒否の理由を「ワクチン免除に必要な証明書を提出しなかったから」と説明。
これに対し、ジョコビッチ選手の母国セルビアは反発し、弁護団は強制送還阻止を訴え裁判所に異議を申し立てている。

ジョコビッチ選手といえば、以前からワクチン接種の義務化に反対の立場を表明している。

この騒動に対し、ライバルのラファエル・ナダル選手(35)は「彼に同情する面もある」としつつも、ワクチン未接種は「彼が自分で決めたことだ」とコメント。

ネット上でも〈ワクチンを打つ、打たないは自分だけのルールであって世界を転戦してるプロのスポーツマンならその国のルールに従うべきでは?〉

〈ジョコビッチ選手の入国拒否(ビザの却下)は合法的な措置ではなく、政府の感情的な行動!!〉などと賛否両論ある。

ジョコビッチ選手の弁護団は8日、昨年12月の新型コロナウイルス陽性歴を理由にワクチン接種の免除を受けていたと主張したが、
仮に健康上の理由であったとしても、結果的に受け入れる側の国の了承がなければ“有名人”であっても例外なく、入国拒否される可能性があることが分かったわけで、
今後、海外出張が多いビジネスマンやワクチン接種済みの家族と未接種者の旅行にも影響が出てくる可能性もあるだろう。

国際ジャーナリストの堀田佳男氏がこう言う。

「世界では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、多くの国の政府がワクチンの重要性を訴え、接種を義務化しているケースも少なくありません。
水際対策は各国判断なので、オーストラリア国境警備隊の判断も妥当といえるでしょう。入国者の事情を受け入れるかどうかは、
あくまで当該国の判断であり、今後、しばらくは入国する国の常識を受け入れなければならないと思います」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299707