[AbemaTIMES 13日]
 アメリカ合衆国議会の襲撃時間から1年あまりが経過した11日、毎日新聞が『米陰謀論、日本から発信か 「Qアノン主宰者」?札幌在住』との記事を1面で大きく報じた。


 「Q」と呼ばれる正体不明の人物が発信する情報をベースにして、トランプ前大統領が世界を裏で牛耳る「ディープステート」と呼ばれる
“闇の政府”と戦っているといった陰謀論信奉者「Qアノン」。そこに、ひろゆき(西村博之)氏が買収・運営するネットの掲示板『4chan』が深く関わっていたというのだ。

米国議会の襲撃から1年…「Q」の正体はロン・ワトキンス氏? 背景にひろゆき氏運営のネット掲示板『4chan』も
 「4chan」の問題を取材してきたルポライターの清義明氏はまず、この『4chan』の底流には日本の『2ちゃんねる』のカルチャーがあると主張する。

 「このようなコミュニケーションはネットならではで、自由な言論が行われている既存のシステムや考え方を破壊できる“武器”になるのではないかと、
1990年代前半の段階で言われていた。実際、日本でもネットが携帯に入ってきた2000年代に世論はだいぶ変わってきたし、
地上波やBSの放送のように放送法やBPOの縛りを受けないYouTubeとかTikTok、ABEMAなども出てきた。その元祖とも呼べる巨大な存在が『2ちゃんねる』だし、
匿名掲示板の文化も日本で生まれたと言ってもいいくらいのものだと思う。

 2000年代には“在日朝鮮人陰謀論”が流行った。昨年も健康食品・美容系企業の社長が“NHKは朝鮮人に乗っ取られている”といった完全な陰謀論を
自社のホームページで主張していたが、こうしたものを増幅させたのが『2ちゃんねる』だと考えている。

米国議会の襲撃から1年…「Q」の正体はロン・ワトキンス氏? 背景にひろゆき氏運営のネット掲示板『4chan』も
 これがオタク文化と共にアメリカに伝播し、なんでも嗤ってやろう、中には誹謗中傷も差別もある、というものが増幅されていった。
それが『4chan』で、アメリカの大手メディアが“ネットの最大のごみ溜めであるけれど、色んな社会の流れを作るためのエンジンとなっている”とも報じている。
そういう中で、非常にインチキくさいおじさんの議論が、あたかも真実であるかのように取り扱われるようになってしまったというのが流れだ。

 そして正確に言えば、これらは“匿名掲示板”ではなく、ハンドルネームも持たない人たちが喋っている“無名掲示板”だ。
今は『Reddit』などに移ってちょっと落ちてきているが、一時は凄まじい影響力があった。その是非について、皆さんはよく考えた方がいいと思う」。


https://times.abema.tv/articles/-/10011293

2022/01/13 10:00