統計の透明性には、その国の民主主義度が反映される――。新型コロナウイルスの感染データに関する各国の公表数値などの分析から、早稲田大学高等研究所の安中進講師(計量政治学)はそう考えています。国の統計への信頼を揺るがした国土交通省による基幹統計の書き換え問題について、世界の事情を交えて聞きました。

――国交省の統計不正問題はどのようにご覧になりましたか。

 不正によって生じるであろう国内総生産(GDP)への影響は、規模的にそれほど大きくないと一部で報じられていますが、非常に由々しき問題であることは明らかです。統計は現状を正確に把握するためのツールで、国家はそれに基づいて政策を作る必要があります。明治政府で統計の大切さを訴え「統計伯」と呼ばれていた大隈重信は、国家の指針を定める材料に統計が必要だと主張していました。その大元となる統計データが誤っていれば、政策自体を誤る可能性も高いのです。

公表データそのものが信用できない国も多い?
 ――世界では、公表される統計データそのものが信用できない国も多いようですね。

 特に権威主義国家で

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https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ1G628HQ1FUHBI01Q.html