時計2022/1/15 15:00神戸新聞NEXT

 建築家の安藤忠雄さんが手掛けた図書館「こども本の森 神戸」が今春、神戸・三宮の東遊園地にオープンする。天井まで続く本棚に最大約2万5千冊の蔵書を並べ、文字通り本に囲まれた空間。「でも、もしこれだけの本が地震で落ちたら? 備えはどうなっているのでしょう?」。神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に寄せられた投稿をもとに、神戸市の担当者を取材した。(広畑千春)

 「書籍の落下対策は、ハード面の最も大きな課題の一つでした」。同市文化交流課の西修担当課長は打ち明ける。

 図書館の開館時間帯に起きた2011年の東日本大震災では、全国各地の図書館で大量の本が落下。幸い大きな人的被害はなかったものの、床を埋め尽くした本が避難を妨げ、本を載せたまま書架が将棋倒しになった例もある。本の落下はやむを得ないという考えが一般的だったが、落下や転倒防止策が講じられるようになった。

 「こども本の森 神戸」では書架を壁沿いに作り付けてあり、転倒の可能性はないという。だが、最大の“見どころ”でもある2・5層の吹き抜けは高さ8・15メートル。大阪市の「こども本の森 中之島」の約6・5メートルを上回る。西担当課長は「阪神・淡路大震災を経験した神戸で子どもがけがをするような事態を起こすわけにはいかない」といい、1年がかりで検討を重ねた。

 その結果、子どもの手が届きにくい5段目(高さ約1・4メートル)以上は、中之島と同様に本を1冊ずつ展示する方式に。30〜40センチ四方の木製ボックスを本棚にすっぽりはめ込み、ボックスの中に樹脂製の展示用台を収める。この台に本を1冊ずつ置き、6段目以上は透明なバンドで固定することにした。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202201/0014987105.shtml