FNNプライムオンライン 1/16(日) 18:01

長野・松本市の業者による犬の虐待事件。多くの犬を衰弱させ、元社長の逮捕・起訴に至った今回の事件。
なぜ防げなかったのか、元従業員や動物愛護団体を取材した。

虐待が明らかになった犬販売業者の施設から救い出され、保健所で保護した犬だ。
動物愛護団体を通じて2021年11月、里親の大堀さんのもとにやってきた。

里親になった大堀久美子さん:
漢字で「幸せ」と書いて「幸」。これからは幸せな「犬生」を送ってもらいたい意味を込めてつけました

保護された時、「幸」は妊娠していた。
逮捕された業者の元社長は、獣医の免許がないにも関わらず、自ら帝王切開をして子犬を取り上げていた。

「幸」にも、過去に受けたとみられる帝王切開の痕があったという。

里親になった大堀久美子さん:
信じられない。変な言い方すれば道具として扱いを受けた。これからはそういったことが起こらないので、今まで以上、何倍も何十倍もかわいがって幸せに生きてもらいたい

告発に基づき捜査 元社長らを起訴
捜査員に抱えられて出てきた犬たち。毛が長く伸び、おびえた様子も伺えた。
2021年9月の家宅捜索は、関係者の情報提供、告発に基づくもので保健所も立ち会った。

市内2カ所の施設で飼育されていた犬は900匹余り。
その後、劣悪な環境で飼育し虐待していたとして、元社長・百瀬耕二被告が逮捕・起訴された。起訴状では469匹を衰弱させたとされている。

元社長「犬を増やし、収益を上げたかった」
元社長・百瀬耕二被告:
(犬に)ご飯をしっかりあげるということが精いっぱいで、手入れしてあげられなかったので、本当にかわいそうなことしちゃった

逮捕前、取材に応じた元社長は、2019年頃から人手が犬の数に追い付かず、世話が不十分になっていたと認めた。

飼育基準を厳しくした2021年6月の法改正を前に従業員を確保しようと、「犬を増やし、収益を上げたかった」という趣旨の説明もした。

元社長・百瀬耕二被告:
経営でお金を回してかなきゃいけない、新しい犬舎を建てなきゃいけないことで突き進んだ。なぜ逆に頭数を減らす方に自分の考えを持っていかなかったのか、今、考えれば(規模を)小さくすればと後悔している

資金繰りのために繰り返された繁殖。ある関係者も、業者が毎週のように犬をオークションに出品していたと話す。

元従業員「1週間くらい食べられなかった子もいた」
中で一体、何が起きていたのだろうか。
施設に5年ほど勤め、2年前に辞めたという元従業員は…

元従業員:
ずさんというか、納得のいかない掃除のやり方で。結局、トリミングはなし。当然、散歩はなし。ケージに出産に関わらない子は一生そこに。(元社長は)「適当にやっとけばいいんだよ、えさと水やって全部済ましてくれ」と。少ない頭数の時は手が回ってたけど、1週間くらい食べられなかった子もいたと思う

さらに…

元従業員:
(帝王切開で)麻酔なしでお腹切る、足縛りつけて。本人は麻酔か鎮痛剤を打ったと言うが、私が見てる前でそういうのはなかった

元社長は「鎮痛剤を使った」と説明したが、帝王切開が頻繁に行われていたのは間違いなさそうだ。

劣悪な環境下での飼育を証明する犬がいる。元従業員が施設から引き取った、メスの「ポメチワ」だ。(ポメラニアンとチワワのミックス)

先天性の障害と運動不足で後ろ足が機能しない。

元従業員:
生まれつきの奇形で、出産が基本になるから、歩けようが足がなかろうが、お腹が使えるから出産を繰り返して、十分な栄養もらえないから年齢は分からないけど、早くに歯がなくなった

多くの犬が悲惨な状態に置かれたのには、「行政にも責任がある」と元従業員は訴える。

元従業員:
県の保健所には不信感を抱いている。当初からおかしいなと思って、「あれで検査が通るんですか」と聞くと、「改善の指示を出してるので」で、いつも終わってました。近所の方も臭いとか音で保健所にいってた。「こういうふうに改善しました」という結果がない。もっと市民と同じ目線で聞いてほしい

※続きはリンク先で
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ade54699a836189747f910e925078c3ba4cfd8d
https://i.imgur.com/zHDMecc.jpg