新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が9万人を超えた、アメリカ・ニューヨーク州。現地で働く日本人医師に、ニューヨークにおける感染状況について話を聞きました。

ニューヨーク市で最大の新型コロナウイルスの入院患者を抱える「マウントサイナイ医科大学」で勤務する山田悠史医師、内科医としてコロナ患者の治療も担当しています。

ニューヨーク市の新型コロナの新規感染者数は年末年始にかけて急増、ニューヨーク州全体では1月上旬に1日の新規感染者数が9万人を超えて過去最多になりました。
しかし1月13日には1日の新規感染者数が5万人を下回りました。その理由の1つが“オミクロン株”の「潜伏期間の短さ」にあったと山田医師は分析しています。

(山田悠史医師)
「潜伏期間が短くなったということは、感染してから症状が出るまでの時間が短いので、感染が広げにくくなった。
レストランの閉店なども相次ぎましたので、そういったことが影響して人と人との交流が減ったという部分もあるかもしれません」

ニューヨーク市ではロックダウンなどの対応は取られませんでしたが、生活は大きく変わったといいます。

(山田悠史医師)
「地下鉄の本数が減って、レストランが閉店したり、スタッフが確保できなくなったことが原因でした。
本当に感染が広がりすぎてしまえば、そもそも経済活動は継続できなくなってしまうんだなということが本当に肌で感じられるような状況だった」

感染者が増えたことで様々な場所で深刻な人手不足に。山田医師の勤める病院でも同じでした。

(山田悠史医師)
「医療スタッフの中にも非常に急速に感染が広がりまして、自分自身も年末年始に入院診療を担当していたんですけれども、
医師2人分の患者をカバーする状況になっていました」

重症化しにくいと言われているオミクロン株ですが、これまでの『闘い』との違いについて、山田医師は次のように話しています。

(山田悠史医師)
「しっかりワクチン接種を受けている方にとってはそれほど怖い感染ではなくなったかなと。
一方でやはり重症化する方というのは確実にいらっしゃいます。持病である喘息などの症状が悪化して入院される方もたくさんいらっしゃいますので、
やはり警戒はしなくてはいけないと思います」

一方、治療をする中で改めて感じたのは新型コロナワクチンの「3回目接種」の重要性だといいます。

(山田悠史医師)
「2回接種を終えていて、入院する患者さんを非常に多く経験したんですけれども、3回接種後に入院をしなければならなかったという方はほぼゼロだったと思います。
重症化リスクのある方持病のある方たちにとってブースター(3回目)接種は非常に重要だと強く感じました」
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20220119/GE00042048.shtml#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3