資産家撲殺 事前に情報収集?
2022年01月22日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL
美人妻はダンプカーで「現場」に乗りつけ、旦那の犯行をアシストしていた。

「自宅に大金があるのを知っとった」

 昨年12月、大阪市生野区の自宅で、無職の川崎勝哉さん(当時82)がハンマーで殴られ、殺害された事件。大阪府警捜査1課は19日、強盗殺人などの疑いで、八尾市の解体業経営、請川正和(44)と妻の左稀(23)、生野区の建築作業員、野木俊夫(58)ら3容疑者を逮捕した。

 昨年12月1日早朝、請川と野木の両容疑者は、それぞれ軽自動車で、左稀容疑者は荷台にハシゴを積んだダンプカーで川崎さんが住む3階建てのハイツ(集合住宅)に乗りつけた。

 請川容疑者はハイツの裏側にある川崎さんの別宅の2階部分にハシゴを掛け、野木容疑者が支えた。請川容疑者はベランダからガラスを叩き割って侵入。別宅の3階には、自宅ハイツの屋上につながる渡り廊下があった。別宅は川崎さん夫婦の娘が所有していたが、当時、誰も住んでいなかった。

 請川容疑者は3階の出入り口からハイツに忍び込み、2階寝室にいた川崎さんの顔や頭をハンマーでボッコボコにブン殴って殺害。そのまま何も取らず、現場から逃走した。川崎さんはベッドの下で倒れ、顔や頭を粉砕骨折していて、死因は失血死だった。川崎さん夫婦は普段から2階、3階に分かれて寝ており、3階にいた妻は無事だった。
■居酒屋に出入りして情報収集

「請川と野木は仕事仲間で、請川は社員数人の解体業を経営しとったんやが、業績はかんばしくなかったようや。川崎さんは以前、自宅で貸金業を営み、奥さんはハイツ1階にある居酒屋を切り盛りしとった。犯人のうちの一人が居酒屋に出入りし、川崎さんが資産家で自宅に多額の現金があり、裏の別宅とハイツがつながっとる構造になってるのを知っとった。どんな暮らしぶりか、アレコレ、聞いとったみたいやから、ひょっとしたら起床時間まで分かっとったんかもしれん。事件前には請川が付近を下見に行っとった。3人がそれぞれ別の車で現場まで来とったんは捜査を撹乱させるためやったんかもしれんが、防カメに写っとった3台の車が、請川の会社の駐車場に止めてあった。それでアシがついた」(捜査事情通)

 請川と左稀両容疑者は4年の交際の後、2019年に入籍。2人の間には2歳の娘がいる。

 金のために何の関係もない高齢者をいとも簡単に撲殺するとは、やることが酷過ぎる。