Buzz
公開 2022年2月2日
第6波で感染が広がる子どもたち 東京で一番多くの入院患者を診る医師が訴える子どもにとって大事なこと
感染拡大が続く第6波で子どもの入院患者も増えています。東京で最も多くの子どもの入院患者を受け入れている病院の医師は、どんな風景を見ているのでしょうか? 子どものために考えるべき大事なことを伝えます。

by Naoko Iwanaga
岩永直子 BuzzFeed Medical Editor, Japan

全国で新型コロナの変異ウイルス、オミクロンが猛威を奮う中、子どもの感染者もこれまでになく多くなっている。



https://img.buzzfeed.com/buzzfeed-static/static/2022-02/1/11/asset/919ccd867310/sub-buzz-3045-1643713515-19.jpg
Naoko Iwanaga / BuzzFeed
東京都内で最も多くの子どもの陽性者を入院させている病院の一つ、東京都立小児総合医療センターで感染症診療の責任者を務める医師、堀越裕歩さん



現在、子どものコロナ診療はどんなことになっていて、我々は何に気をつけたらいいのだろう。

BuzzFeed Japan Medicalは、東京都立小児総合医療センター感染症科、免疫科医長の堀越裕歩さんに話を聞いた。

※インタビューは2月1日午後に行い、その時点の情報に基づいている。

第6波で既に100人以上の子どもが入院 軽症者がほとんど

――子どものコロナ患者が増えていますが、どのような対応になっているのでしょうか?

成人と同様、ほとんどは軽症なので自宅療養になっている子どもが多いです。

うちは東京都で一番、小児の入院を受けている病院です。治療が必要な患者ももちろんいますが、乳児院や障害福祉施設施設だと他の子どもからの隔離が難しいため、隔離目的で入院する「社会的入院」がとても多いです。

この1週間で増えているのは、例えば盲腸や骨折などの病気で治療が必要で、コロナも陽性だという患者です。他の病院から「コロナ陽性の患者の手術はできないので」と依頼されます。感染症科は治療や感染管理の指示などをします。

――第6波になってからは何人ぐらい入院していますか?

だいたい常に30人ぐらいが入院しています。連日、4〜5人退院しては新たに4〜5人入ってくる感じです。1月2週目ぐらいから増えてきて、累積で100人以上は入院しました。

――10代以下の感染が増えていますが、医療現場でも実感しますか?

第5波までは社会的入院であっても、両親が体調を崩して子どもを一人家には残せないから預かってくれというパターンが多かったのです。でも今回は、大人も重症化しないので、両親が体調が悪くて面倒を見るひとがいないというパターンはほとんどありません。

重症者は基礎疾患のある子ども コロナのせいか不明だが長引く症状も

――その中でも重症者はいるのでしょうか?

第6波でICU(集中治療室)に入ったのは4人ぐらいです。熱が出て、けいれんが止まらずに人工呼吸器管理になる子もいます。

――重い合併症「多系統炎症性症候群」はありましたか?

うちはないです。日本全体でも稀な症状です。

――重症になるのは基礎疾患のある子どもですか?

もとの基礎疾患が理由で重症化することが多いです。成人のように肺炎が悪化して呼吸器不全になるパターンは第5波ではありましたが、今回はほとんどない。基礎疾患が理由だったり、けいれんが止まらなかったりして集中治療が必要、というパターンが多いです。

――基礎疾患としては何が多いですか?

白血病など子どものがんですね。元々気管切開をしている脳性麻痺の患者さんなどが感染して具合が悪くなることも多いです。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-horikoshi