2022年2月5日 12時00分

カバーを開けて稼働する「パタパタ」=5日午前1時すぎ、京急川崎駅で
https://static.tokyo-np.co.jp/image/article/size1/9/7/2/3/9723395e5a7a71faa2029e0b57ad4093_1.jpg

 京浜急行電鉄は、京急川崎駅(川崎市)のパネルが回転して列車の行き先などを案内する表示器、通称「パタパタ」が今月中旬に引退し、約35年の歴史に幕を閉じるのを前に、鉄道ファン向けの特別ナイトツアーを開いた。(竹谷直子)
 ツアーは4日の終電後、5日午前零時半から午前3時ごろにかけて開催。京急社員が「パタパタ」の仕組みについて説明したり、パタパタの音を聞きやすくするためにカバーを開けた状態で稼働させたりした。
参加者のリクエストに応じ、今は使われない列車種別「通快」や「京急久里浜・逗子・葉山」なども表示。参加した20人は、写真や動画にパタパタの姿を収めていた。
 京急によると、定員20人の枠に約900人の応募があった。参加した大学1年の魚谷幹太さん(23)=相模原市=は「普段は見られない表示を最後に見られてよかった」と笑顔。「デジタルはすぐに変わるが、パタパタは時間をかけて他の行き先も見ながら変わるところが魅力。時代の移り変わりなので仕方ないけど、悲しい」と話した。
 「パタパタ」は正式には「フラップ式列車発車案内表示装置」と呼ばれ、京急線では1986年に京急川崎駅に初めてお目見えし、最大で10駅ほどに設置された。
京急川崎駅では2001年に2代目パタパタに更新していたため、発光ダイオード(LED)表示への転換が00年前後から進む中で、最後まで残っていた。上り下りのホームに計5台あったが、上りの3台はすでに撤去。下りの2台も2月中旬までに順次撤去し、液晶モニター型の装置に切り替わる。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/158406