※2022/02/08 06:00東京新聞

樹木1000本が伐採危機…神宮外苑、東京五輪で規制緩和「開発優先では」 日本イコモスが都へ見直し提言
 明治神宮外苑地区(東京)の再開発に伴い、約1000本の樹木が伐採される可能性があることが分かった。再開発計画は9日、東京都都市計画審議会に諮られ、承認されると事業は本格化する。文化遺産保護の提言などを行う「日本イコモス国内委員会」は7日、東京都へ見直しを提言した。(森本智之)

 日本イコモスのメンバーで、都市計画が専門の石川幹子・中央大研究開発機構教授が、昨年12月に公表された都市計画案などを基に、現地を歩いて1本ずつ確認する毎木(まいぼく)調査で突き止めた。東京都も取材に、伐採の計画を認めた。

 再開発は三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事が担う。神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えに加えて、商業施設やオフィスの入る高さが185メートルと190メートルの2つの複合ビルなど複数の高層建築が計画されている。

 神宮外苑は国民からの寄付により1926(大正15)年に完成した日本最初期の近代的な都市公園とされる。献金のほか、ボランティアが造成工事に当たり、約3000本の樹木も献木された。石川教授によると、今回は再開発エリアにある約1900本の半数以上の1000本が伐採され、その中には造営当時に植林されたような樹齢100年級のクスノキやケヤキなどの大木も多く含まれる。

 完成時に周辺は自然的景観の保全を義務付けられた風致地区に日本で初めて指定され、高さ15メートルを超える建物を建てられないなど開発が規制されてきた。だが、東京五輪の主会場として国立競技場を建て替えるため、都は高さ制限を80メートルにするなど規制緩和を行い、開発が本格化した。

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