【ニューヨーク=吉田圭織】国連のグテレス事務総長は21日、ロシアによるウクライナ東部の一部地域の独立承認は「ウクライナの領土保全と主権に反するものであり、国連憲章との整合性に欠ける」と批判する声明を報道官を通じて発表した。

ロシアがウクライナ東部のルガンスクとドネツク州の独立を承認したことについて「非常に懸念している」と表明した。関係国には「ウクライナ国内外における危険な状況をさらに悪化させるような行動や発言をしないよう要請する」と訴えた。

同時に、ウクライナ東部紛争の停戦と和平への道筋を示し、国連安全保障理事会が2015年に支持を表明した「ミンスク合意」に沿った平和的な解決策を探るよう呼びかけた。

安保理外交筋によると、米国と英国、フランスを含む7理事国がウクライナ情勢をめぐる緊急会合を21日中にも開くよう求めた。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は会合開催について「安保理はロシアがウクライナの主権と領土保全を尊重するよう要求しなければいけない」と訴えた。

日本経済新聞 2022年2月22日 8:13
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