2022年2月26日 4:19

【ニューヨーク=山内菜穂子】新型コロナウイルスにより親を亡くした子どもは2021年10月までに、世界で520万人を超えることがわかった。
米疾病対策センター(CDC)の研究者らが英医学誌ランセットに論文を公開した。母親よりも父親を亡くした割合が高く、年齢別では10代が最も多かった。

調査は20年3月から21年10月までで、米国やインドなど21カ国のデータをもとに世界で親をなくした子の数を推計した。
遺児の数は最初の14カ月で少なくとも273万人と推計。「その後の6カ月でほぼ倍(520万人)になった」と分析した。

母親よりも父親を亡くす割合が高かった。母親を亡くした子は23.5%だった一方、父親を亡くしたのは76.5%にのぼった。
遺児を年齢別にみると、10〜17歳が63.6%と最も多く、次いで5〜9歳(21.8%)、0〜4歳(14.6%)だった。

アフリカなどでは死亡者数が過小評価されているとして、実際の遺児数はさらに多いと指摘している。
また親を亡くした子は貧困や性的虐待などリスクにさらされる可能性が高まるとも警告している。

米ジョンズ・ホプキンス大のまとめによると、世界のコロナ死者数は25日で593万人。
米国が94万人と最も多く、ブラジル(64万人)、インド(51万人)、ロシア(34万人)が続く。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25ETA0V20C22A2000000/