朝日新聞 3/8(火) 9:05

法務省
 政府は8日、刑務作業の有無で分かれている懲役刑と禁錮刑を一本化した「拘禁刑」の新設を柱とする刑法などの改正案を閣議決定した。刑務所を出た後に再び罪を犯す人が後を絶たないなか、刑務作業を義務とせず矯正教育を充実させる狙いがある。今の通常国会に提出予定で、成立すれば1907(明治40)年に現行刑法が定められて以来初めて刑罰の種類が変わることになる。施行は公布から3年以内を予定している。

 刑事施設に収容する刑罰は現在、木工や印刷、炊事といった刑務作業が義務の懲役刑や、刑務作業のない禁錮刑などが刑法で規定されている。ただ、懲役刑は刑務作業に時間を取られ、再犯防止に向けた矯正教育が十分できないことが課題とされてきた。2020年に新たに入所した受刑者のうち禁錮刑は0・3%と少ない上、禁錮受刑者の8割近く(昨年3月末時点)が自ら希望して刑務作業に従事していることから必要性が薄れている実態もある。

 このため改正案は、この二つの刑を廃止して拘禁刑を新設。受刑者の特性や刑期に応じ、刑務作業を完全になくすことや、薬物・性犯罪の矯正プログラムを受ける時間を大幅に増やすことを可能にする。条文も、「所定の作業を行わせる」としているだけの記載を改め「改善更生を図るため」と明記するなど、再犯防止の目的を明確にする。

朝日新聞社
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