3/10(木) 11:41

ロシアのウクライナ侵攻開始から14日目の9日、ウクライナ各地の市や町から住民が逃げ出す中、南部マリウポリの産科・小児病院が空爆を受けた。当局は職員と患者ら少なくとも17人が負傷したとしている。

ロシア軍が病院を攻撃したことに、ウクライナや世界中から非難の声が上がっている

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「残虐行為」だとロシア政府を非難。車が焼け落ち、窓が吹き飛ばされ、地面に深いクレーターができている様子を捉えた映像を投稿した。

「現代社会において、小児病院を爆撃することが可能なんて、我々には理解できない」と、マリウポリのセルヒィ・オルロウ副市長はBBCに述べた。

首都キーウ(キエフ)近郊の複数の町では、避難しようとする住民らの車列がみられた。

北東部スーミからは住民の一部が脱出できたが、戦闘が続き、ほかの人たちは避難を阻まれた。

■病院への攻撃は「戦争犯罪」

ゼレンスキー大統領は、病院への攻撃は「戦争犯罪」だとロシアを非難した。

「病院や産院を恐れて破壊するなんて、ロシア連邦とは一体なんて国なんだ」と、ゼレンスキー氏は最新のビデオ演説で問いかけた。

「産院にいる誰かがロシア語を話す人をひどい目に遭わせたとでも?  一体何なんだ。病院の『非ナチス化』とでも言うのか?」

「もはや残虐行為を超えている。侵略者がマリウポリに対してやっていることは全て、もはや残虐行為を超えている」

「今日、我々は団結してロシアによるこの戦争犯罪を非難しなければならない。こうした行為は、侵略者が我々の土地にもたらした全ての悪を映し出している」

ゼレンスキー氏は、病院への攻撃は「ウクライナ人の大量虐殺が行われていることを示す最終的な証明」になるとした。

■チェルノブイリ原発で電源喪失

(訳注:「チェルノブイリ」は地名のロシア語発音、ウクライナ語発音では「チョルノービリ」に近く、施設名もソ連解体後に「チョルノービリ」に改名されているため、以降「チョルノービリ」と表記します)

ロシア軍が2月24日にチョルノービリ原発を占拠してから間もなく2週間となる中、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は9日、同原発が電源を喪失したとツイートした。

予備のディーゼル発電機で48時間は電力を維持できるが、その後は使用済み核燃料の冷却システムがストップするだろうとしている。

一方で国際原子力機関(IAEA)は、敷地内に残された使用済み核燃料は事故を起こすほど加熱されていないなどとして、安全性への致命的な影響はないとしている。

■ロシアの「犯罪行為」追跡サイトを設置

ゼレンスキー氏はビデオ演説から数時間後、ロシアがウクライナで犯したとされる「犯罪と人権侵害」を追跡するウェブサイトを立ち上げた。

「ロシア連邦による人権侵害に関する情報を収集・処理する」ものだと、ウクライナ大統領府秘書室長のアンドリー・イェルマク氏は説明している。

この追跡サイトでは、「侵略者による人権侵害の事実」をフォームに記入し、写真やビデオの添付を求めている。

イェルマク氏によると、こうして集められた情報は欧州人権裁判所(ECHR)や国際司法裁判所(ICJ)で、「ウクライナの防衛と申し立てのための証拠として使用される」という。

国連の最高裁判所に当たるICJは7日、ウクライナが求めている、ロシアによる敵対行為の即時停止のための緊急命令について「できるだけ早く」決定する方針だと述べた。

これとは別に、国際刑事裁判所(ICC)が現在、ロシアによる戦争犯罪の捜査を進めている。

長文につきあとはソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f6445765916ad30ec2f1e34e4156f7fa277964e