2021年4月から22年3月までに大阪府は宿泊療養用ホテルに対し、使用料及び賃借料、食費、飲料、ゴミ回収・処理費、清掃費、リネン一式(枕カバー、敷シーツ、掛シーツ)などの経費として計272億円を支出。うちアパホテル(9施設)に対しては、40億7720万円(1月末時点)と突出した額を支出していたことがAERAdot.調査でわかった。2位以下のコンソルト、スーパーホテル、東横インなどはいずれもアパホテルの半額以下となっている。

 AERAdot.が入手した大阪市内のアパホテルが21年1月、府へ提出した請求書によると、食費は1食700円、飲料(500ml)1本は130円。さらにゴミ回収・処理費は1袋(50L)で破格の1万円、リネン一式は5000円などとなっていた。

 一方、大阪市内の大阪アカデミアホテルがほぼ同時期に出した請求書も入手したが、食費は1食500円、飲料は100円(同)、ゴミ回収・処理費(同)は1袋(同)5000円、リネン一式は4000円などとなっていた。

 国はホテル宿泊療養者の食費を1食1500円と定めているが、府は独自基準で昨年春まで1食500円と定めていた。ところが、府議会で「安すぎる」と問題になり、1食900円に引き上げた経緯があった。

「食費など経費は府と相談の上、決めている」(大阪アカデミアホテル)

 なぜ、アパホテルと他のホテルで食費や経費に差があるのか?

「アパホテルは地方自治体法(第167条の2)による随意契約を『緊急で入札をしている暇がない』(第5号)との理由で府と結んでいる。他の多くのホテルでも随意契約が結ばれていますが、『公募に付した』(第2号)と根拠に差があります。また府はこの当時、ホテルに1食500円を基本ルールとして請求書をもらっていたが、アパは200円前後の上乗せが認められていました。ゴミ回収など他の経費も多少、高くとも黙認されるなど優遇されていたようです」(内閣府関係者)

 これまでAERAdot.が報じた通り、宿泊療養者らの証言からアパホテルの食事は「粗末で中抜きがひどい」と指摘されていた。しかし、部屋の清掃やゴミ処理などについても「問題がある」という。

「ごみは速やかに回収されず、床や壁際には結構、ごみや髪の毛が落ちていました」(アパホテルで宿泊療養したAさん)

 アパホテルの対応に対し、食事のひどさなどで厚生労働省、総務省、大阪府に改善を要求する要望もあったという。

 大阪市内のアパホテルで1月まで清掃の仕事をしたBさんはこう明かす。

「弁当は毎日100〜200食近くが廃棄されており、ゴミは1日2回、ペール缶と呼ばれる白いゴミ箱に突っ込んでいた。それをゴミ回収業者が定期的に取りに来ていました。清掃やゴミ処理は杜撰でした。ゴミ袋の数量計算もアバウトで正確な数字ではない時もありました」

 宿泊療養ホテルは使用料の他、食事、清掃、警備などあらゆる経費が国庫で負担されている。なぜ、アパホテルはこうした問題が浮上してもなぜ、「優遇」されたのだろうか。

「日本維新の会とアパの仲が良いということは府職員みんな心得ているところです。宿泊療養ホテルの件も府からアパさんにお声がけしてやっているわけです。多少の問題があっても正直、気を遣います」(府職員)

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https://news.yahoo.co.jp/articles/a37583c5b99ca9f1251f8a5c5176bb0c776f73e3