2022/03/16 12:26

 物質の性質を探る「物性物理学」の基本理論の一つを作った近藤淳・産業技術総合研究所名誉フェローが11日、死去した。92歳だった。遺族が16日明らかにした。告別式は近親者で済ませた。

 通産省工業技術院電気試験所(現・産総研)の研究員だった1964年、絶対零度(零下約273度)に近づくと、金属のなかで自由に動き回っていた電子が、
不純物に含まれる電子に邪魔されて動きにくくなり電気抵抗が大きくなることを、理論的に解明した。この現象は「近藤効果」と呼ばれている。

 仁科記念賞、恩賜賞・日本学士院賞などを受賞。2003年に文化功労者、20年に文化勲章を受章した。ノーベル物理学賞の有力候補に長年、挙げられていた。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20220316-OYT1T50155/