北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は6日、日本について「地理的に互いに遠く離れていても、価値観や課題を共有していると全員が理解している」と強調した。その上で「強引さを増す中国がもたらす課題への対応などで、緊密に協力する必要がある」と訴えた。

ブリュッセルで6日に始まったNATO外相理事会を前に記者団に語った。NATOは7日、アジア太平洋地域のパートナー国である日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランド4カ国などとの外相会合も開催。日本からは林芳正外相が出席する。ロシアのウクライナ侵攻をめぐる中ロ連携への懸念も高まる中、民主主義陣営の結束を確認する。

 NATOは昨年の首脳会議で「対中国」を新戦略の柱の一つに据えることに合意。6月の次回会議での取りまとめを目指している。ストルテンベルグ氏は「ロシアと中国が、ルールに基づく国際秩序や民主主義的価値観に突き付けている課題に対応しなければならない」と主張。海上安全保障やサイバー防衛といった分野で、日本などと連携する考えを示した。
 一方、ウクライナ危機については「何カ月、何年にもわたって長期的に続くかもしれない」と警告。「ウクライナ全土を支配し、世界秩序を書き換えようとするロシアのプーチン大統領の野心に変化の兆しはまだない」と述べた。ウクライナ支援や対ロシア制裁、防衛態勢増強の長期化に備える必要性を唱えた。

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