4/9(土) 14:43配信 読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/b5d4b5ef29d273f99c8799f02ca9feca17b62835
 顔のシワやたるみなどをとるため、超音波を照射するHIFU(ハイフ)という機器を使った事故が相次いでいる。本来は医師が治療に使う医療機器だが、エステサロンの施術でも使われ、近年は「セルフハイフ」と称して機器を顧客自身に使わせる店も登場している。こうした使い方は違法の疑いもあり、消費者庁や国民生活センターなどが注意を呼びかけている。(石井恭平)


 「照射する深さをピンポイントで設定し、特定の部位を狙い撃ちできるため、1回の治療で効果が出る」。東京都目黒区の「五本木クリニック」院長の桑満(くわみつ)おさむさん(61)はハイフの利点をそう語る。

 クリニックには泌尿器科とともに美容外科もあり、ハイフを2台設置。全額自己負担の治療費は1回数十万円に上るが、美容に関心の高い女性だけでなく、取引先に好印象を与えたいとして、経営者の男性らも多く来院しているという。

 ただ、過去に別の医療機関であごの神経を損傷する事故が起きたため、特定の神経への使用は控えているといい、桑満さんは「医療機関でも使い方を間違えれば事故が起きる。医学的な専門知識のない所での施術や利用は危険だ」と警鐘を鳴らす。

 実際、消費者庁の「事故情報データバンク」には2015年1月から21年6月まで、ハイフによる事故報告が計77件寄せられている。

 内訳は「顔面の一部にまひが残った」といった神経や感覚の障害が10件、「あごに赤茶色のシミのような痕ができた」というような皮膚障害が14件、やけどが33件など。美容外科などの医療機関でも17件の事故が起きていたが、エステ店での事故はその3倍超の53件に上った。「セルフハイフ」での事故も7件あった。

 同庁によると、データバンクに報告されない被害もあるため、さらに多くの事故が起きている可能性もあるという。

指導難しく
 医師法では、医師以外の者が医業を行うことを禁じている。国民生活センターは17年3月、ハイフは医師の判断や技術がなければ人体に危害を及ぼすおそれがあるとして、エステティシャンによる施術は医師法に抵触するおそれがあると指摘。施術のリスクを説明していない店があることも踏まえ、エステ店では施術を受けないよう呼びかけた。エステの関係団体を束ねる「日本エステティック振興協議会」も19年8月、会員に施術を禁じた。(以下ソースで)