自民党の安倍晋三元首相は9日、福井県小浜市を訪れ、北朝鮮に拉致されて平成14年に帰国した地村保志さんと対談した。拉致問題の早期解決に向け「もう首相ではないが、決して諦めず、日本全体の意志で被害者を必ず取り返す決意だ」と述べ、引き続き努力する考えを表明した。防衛費増額の必要性も改めて強調した。

地村さんは対談で「日朝両政府の話し合いが再開され、拉致問題が進展するよう尽力をお願いしたい」と訴えた。安倍氏は、岸田文雄首相が条件を付けずに金正恩朝鮮労働党総書記と向き合うと明言したと指摘し「そういう状況をつくるため頑張りたい」と応じた。

対談に先立つ講演では、ロシアによるウクライナ侵攻に触れ、防衛費は国内総生産(GDP)比2%超を目指すべきだと重ねて強調。令和5年度の防衛費に関し、4年度当初予算と3年度補正予算を合わせた約6兆円から「さらに積み上げる予算を考えなければならない」と語った。
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