※4/10(日) 5:26 読売新聞オンライン

 【ニューデリー=小峰翔】パキスタン下院(定数342)は10日未明、イムラン・カーン首相に対する不信任決議案を賛成多数で可決した。カーン氏は失職した。不信任決議で首相が失職するのは同国史上初めて。カーン氏は大規模な抗議を行うよう呼びかけており、混乱が続く恐れがある。

 採決では、賛成が174となり、過半数の172を上回った。カーン氏は議場に姿を見せなかった。採決直前に与党所属の下院議長が辞任し、最大野党で過去の議長経験者が暫定議長を務めた。首相の不信任決議案の採決は1989年と2006年にも行われたが、いずれも否決された。可決されたのは初めてだ。

 後任選定は、下院議員による投票が有力だ。ナワズ・シャリフ元首相の弟で、最大野党の「イスラム教徒連盟ナワズ・シャリフ派」のシャバズ・シャリフ総裁などの名前が取り沙汰されている。10日にも新首相が選ばれる可能性がある。

 カーン氏は8日の演説で、「外国勢力が私の追い落としを謀っている」と主張した。野党による「傀儡(かいらい)政権は認めない。主権を守るため、10日夜に街で抗議をしなければならない」と国民に抗議を呼びかけており、治安当局は厳戒態勢を敷いている。

  不信任決議案は先月、野党が提出。カーン氏が率いる与党「パキスタン正義のための運動」は単独では過半数に達せず、多数派工作が活発化した。連立与党の少数政党が先月末に離脱し、不信任決議案に賛成する意向を表明し、カーン氏は窮地に追い込まれた。

 当初の採決予定だった今月3日、カーン氏は与党所属の副議長を使い、不信任決議案を却下させた上で、下院解散を大統領に進言し、解散を主導した。

 これに対し、最高裁は7日、不信任案却下と議会解散は、いずれも違憲で無効との判断を示し、9日までに下院を再招集するよう命じた。

 国民的スポーツであるクリケットの代表主将として活躍したカーン氏は、引退後の1996年に「正義運動」を設立。隠然たる影響力を持つ軍の後ろ盾もあり、2018年の総選挙後に首相に選ばれた。

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Yahoo!ニュース: パキスタン首相「外国勢力が私の追い落としを謀っている」…不信任決議で失職(読売新聞オンライン) - Yahoo ....
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