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感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大学客員教授(小児科)は「オミクロン株の感染者は、デルタ株に比べて軽症と言われている。しかし、『それは多くの人がワクチンを接種している効果で、軽症に見えるだけだ』という意見が出てきた。オミクロン株は軽症とみる傾向は危険だ」とし、「優等生代表の香港では、オミクロン株が激しい流行を起こしたが、ワクチンを打っていない高齢者が多数死亡し、ピーク時の欧米諸国を上回る極めて高い死亡率を記録した」と続ける。

「一日の新規患者数が減っているのは、オミクロン株の急増期と比べての話だ。デルタ株流行期に比べれば、現在でも数倍の患者数になっている。日本でも、ワクチン接種の効果と思われるが、オミクロン株感染患者が重症化する確率は低い。しかし、患者の母数が大きければ一定の重症患者が出て、対応する医療機関が逼迫(ひっぱく)する可能性もある」と、 菅谷教授は現状を分析する。

「4回目接種のタイミングは、高齢者や重症化リスクの高い持病を持つ人が3回目接種後4〜5カ月、医療関係者が6カ月後をめどに接種するのが望ましい」と言う。その上で「一般の人々では、ブースター接種後のワクチン効果持続のデータを見て接種時期を決めれば良い。また、ワクチンメーカーはオミクロン株などの変異株に対応する新ワクチンの開発を進めているので、これらの開発状況も勘案すべきだ」と付け加える。

4回目接種も視野に
〜新型コロナ、専門家が提言〜
時事メディカル