今年2月に出た篠田謙一の新書「人類の起源」を読んだ

明治以来行われてきた形質人類学の結果、日本列島集団には二重構造モデルと言われるふたつの大きな特徴が明らかにされています。
2006年に初めて30億塩基対全ゲノム解析が行われてからは日本人の成り立ちが遺伝子から裏付けられました。

現代の日本列島は大まかにアイヌ・沖縄・本土の3集団に分かれる。
ただし、本土の中でも畿内集団は最も渡来人に近く九州集団は最も縄文人に近い。
(出村2021より引用 図6-1 核ゲノムの都道府県別SNP解析ヒートマップ)

このことは以前から頭骨の計測値の解析結果によって指摘されており、畿内を中心とした地域では渡来系集団の影響が強く、周辺域では縄文人の遺伝的な影響がより強く残っていると理解されています。