日刊ゲンダイ 4/12(火) 9:06

 春、新学期で緊張しているのはピカピカの1年生だけじゃない。

〈反発してくる生徒、攻撃的な保護者がいたらどうしよう〉〈新学期が精神的に一番つらい〉〈真面目で子ども思いの友人が教師を辞めました〉

 SNS上には、教師によるものと思われる悲痛な書き込みが散見される。授業中に立ち歩くなど、生徒の問題行動で授業やクラスの運営に支障をきたす「学級崩壊」で精神を病む教師は昔も今も少なくないようだ。実際、文科省の調査では、うつ病などのメンタルを理由に休職する公立校の教職員は、毎年5000人前後と高止まりの状態が続いている。

 そして昨今、学級崩壊は“ブランド小”でも起きているという。

 有名私立中への進学率が高い都心の公立小に子どもを通わせる30代女性は、こう話す。

「ウチの小学校に入学させるため区域外から引っ越してくる親御さんまでいますが、それでも学級崩壊は起きています。クラスをまとめられず精神的に病んでしまった先生や、学年途中で担任を降りたケースも……。ブランド小という評価は表面的なものに過ぎないと思いますね」

 わが子を中学受験に有利な学校に通わせたい、教育熱心な家庭にとってブランド小は自宅選びの重要指標だ。一般的な公立小に比べ、親の収入や職業など似通った家庭環境の子どもが集まりやすいともいわれるが、学級崩壊が起こる素地はあるという。

 教育ジャーナリストの松本肇氏がこう言う。

「『中学受験率が高い』という点がポイントだと思います。学習意欲が高くない児童が無理に私立受験を目指し、塾で過度な学習を強いられた結果、疲弊してしまう。優秀な児童の場合も、中学受験と関係の薄い小学校の授業に意味を見いだせなくなり、授業中に遊んでしまったり、ストレスを発散するため問題行動を起こしたりするケースもあります。私が学習塾の講師をしていた時も、成績優秀な児童が学級崩壊の中心になっていたこともありました」

 何も、教師の指導力不足や、親のしつけだけが原因ではない。生徒の問題行動から、虐待、育児放棄、モラハラといった家庭内の問題発見につながることもあるという。

「発達障害と思われる児童には、彼らに適した教育が必要になる」(松本肇氏)など、原因や対策はさまざま。いずれにせよ、子どもたち自身がストレスにさらされているのは間違いないようだ。

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