ロシア正教聖像画「今の時代こそ見て」 釧根の山下りん作品展示 道立芸術館で23日から
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04/15 18:42

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道立釧路芸術館に展示される釧路ハリストス正教会の「コゼリシチナの生神女」

23日に始まる道立釧路芸術館の企画展「日本の洋画130年」の目玉として、同館は日本初のロシア正教の聖像画(イコン)画家山下りん(1857〜1939年)の釧根管内などに残る作品14点を展示する。戦争や歴史の激動に翻弄(ほんろう)されたりんの人生。ウクライナ情勢が深刻化する中、関係者は「異文化の友好の象徴。今の時代にこそ作品を見てほしい」と訴える。

 「山下りん―明治を生きたイコン画家」(大下智一著、北海道新聞社)などによると、りんは現在の茨城県笠間市生まれ。同級生の影響でロシア正教に入信し「絵によって教会に仕える」という夢を抱いて当時のロシアの首都・サンクトペテルブルクに留学した。エルミタージュ美術館に通ってイコンを模写して技術を学び、1883年(明治16年)に帰国した後は日本各地で正教会向けにイコンを描いた。

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