(CNN) ロシア軍幹部がウクライナ侵攻の目標は同国南部の支配とモルドバへのアクセスの確保にあると発言したことを受け、モルドバ外務・欧州統合省は22日、ロシア大使を呼び出して懸念を伝えた。

モルドバ外務省は声明で「ロシア国防省の代表者の発言に留意した」と述べ、「深い懸念」を表明したことを明らかにした。

ロシア国営メディアはこれに先立ち同日、ウクライナ侵攻の第2段階におけるロシア軍の目標はウクライナ南部の「完全支配」にあると報じていた。

国営タス通信によると、ロシア軍中央軍管区のミンネカエフ司令官代行(少将)は、目標はウクライナ東部ドンバス地方とクリミア半島を結ぶ陸上回廊の構築にあると説明。ウクライナ南部を支配すれば、ロシア軍はモルドバにある分離派支配地域トランスニストリア(沿ドニエストル)へアクセスできるようになると付言した。トランスニストリアには1990年代初頭からロシア軍が駐留する。

これに対しモルドバ外務省は、ロシア軍将官の発言には根拠が示されておらず、モルドバの主権と領土的一体性を支持するロシア連邦の立場と矛盾すると指摘した。

モルドバの当局者はロシア大使と面会中、モルドバは中立国家であり、この原則はロシア連邦を含むすべての国際的アクターによって尊重される必要があると改めて表明したという。

https://www.cnn.co.jp/world/35186732.html