「プーチンの戦争」シナリオにトランプが深く関与か
キーウ陥落できなければプランBで南東部を「香港化」せよ
JBpress
2022.4.25

 トランプ氏と側近たちが今回のロシアのウクライナ侵攻作戦に深いかかわりがあったとする論文が軍事情報専門サイト「スパイトーク」4月21、22日付に公表された。
 執筆したのは米中央情報局(CIA)で軍事情報分析官だったフランク・スネップ氏。

プーチンに弱みを握られているトランプ
 スネップ論文は、同氏がベトナム戦争当時、CIA分析官として「サイゴン陥落」に至る経緯を徹底調査した体験を生かして、これまでのメディア情報や未公開の機密情報を精査したものだ。
 ベトナム情勢を分析して著した「Decent Interval」は高い評価を得ている。米軍事外交専門家の一人はこうコメントしている。

「凄い分析だ。ただプーチンが最低限、手に入れたいのは(モルドバ東部を流れるドニエストル川とウクライナ国境との間の細長い土地にある)トランスニストリア*5だというのが通説になりつつある。今ロシア軍が行っている戦略はほぼそれに沿ったものだ」

*5=公式には沿ドニエストル・モルドバ共和国。国際的にはモルドバの一部と認められている分離国家。ソビエト連邦解体後の「凍結した紛争」地帯でロシア、モルトバ、ウクライナ三者合同調整委員会が安全保障体制を監督している。人口の半数はロシア国籍者。

「スネップ論文で気になるのは、トランプ自身がそこまでウクライナ情勢について分かっているかどうかだ。トランプはウクライナがどこにあるかも知らないのではないのか(笑)」

「トランプがロシア、特にプーチンに特別の配慮をしているのは何か。借りがあるからだ。弱みを握られているのだろう」

「それがトランプの言動に表れている。それはスネップ氏の分析テーマとは別の次元の話だ」