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遅効毒
コロナ後遺症で「体が動かない」「文字が理解できない」…自主退学や休職も
マイナビ2022/04/10 05:00
https://news.mynavi.jp/article/20220410-2317844/

「何もできない、体が動かない」……福岡県内の高校生・佐々木ゆりこさん(仮名・16)は、ひどい時にはベッドの上から起き上がれない生活が続いている。
昨年5月に新型コロナウイルスに感染。その後、ひどいけん怠感に襲われた。

なぜ、新型コロナは回復したはずなのに、症状が続くのか。医療機関に駆け込んだゆりこさんが告げられたのは「コロナ後遺症」。
1日の大半をベッドで過ごす日々で欠席が続く中、進級も危ぶまれ、ゆりこさんが下した決断は、自主退学でだった。

感染から8カ月。家で母親の手伝いができるようになったり、居酒屋でアルバイトを始めたりと回復の兆しは見えるものの、頭痛や発熱など後遺症が影を落としている。
年が明けた今年1月には、発熱の影響である扁桃腺の手術をすることになった。

コロナ後遺症とは、新型コロナに感染し、「陰性」となったあとに、ほかの疾患として説明がつかない、味覚・嗅覚障害、
けん怠感、記憶障害などの様々な症状が長期間続くことを指す。

国立国際医療研究センターの調査によると、新型コロナに感染した人の約4人に1人が、発症から半年後もコロナ後遺症が残っているという。
そんな中、患者を悩ませるのが、確立された治療が見つからないこと。そして、見た目では分かりづらいその症状を周囲が理解してくれないことだ。

「どこも悪くないように見えるから、なんで仕事を休んでいるのと思うでしょう」……

そう話すのは、吉田学さん(仮名・50)。吉田さんは文字が理解できない症状に苦しんでいる。

周囲にうまく説明できず、孤独感を感じていた。ときに雲の中に頭を突っ込んだような感覚の灰色の“もや”が視界に表れることもあるという。
この症状は「ブレインフォグ」と言われる後遺症の一種とみられていて、仕事も4カ月休職している。

たとえ新型コロナが軽症だったとしても、見た目では分かりづらい様々な症状に悩まされるコロナ後遺症。
人生を左右された患者たちの苦しみや不安、さらに治療法が確立されない中で、模索が続く医療現場についても伝える。