同居する孫を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪で懲役4年6月の実刑判決を受けた福井市黒丸城町の無職冨澤進被告(88)が判決を不服として、6月9日付で名古屋高裁金沢支部に控訴を申し立てていたことが弁護人への取材で分かった。同10日に控訴は受理された。(6月13日)


一審の福井地裁では、冨澤被告の責任能力の有無が争点となり、弁護側は犯行当時認知症だった被告の意識障害の程度は重く、刑事責任能力がない心神喪失の状態だったとして無罪を主張したのに対し、検察側は被告は犯行当時酒を飲んだ上、睡眠薬の服用やストレスで意識がぼんやりしたせん妄状態だったものの、刑事責任能力が残る心神耗弱の状態だったと主張。

河村宜信裁判長は5月31日の判決公判で、被告は刑事責任能力が著しく低下した心神耗弱だったと判断した上で、犯行当時の行動は合理的でまとまりがあったと指摘し、実刑判決を言い渡していた。

判決文によると、冨澤被告は2020年9月、自宅で同居していた孫で当時16歳だった高校2年生の友美さんの首などを包丁で複数回刺して殺害した。

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