市「大阪府吹田市内のコールセンターで『自分は給付対象になるのか』といった市民からの問い合わせに対応するため、全市民の住民基本台帳など複数のデータが必要だった。インターネット環境が整っていなかったため、今回のみ委託業者のUSBメモリーを使い、尼崎市市政情報センターから持ち出した」

 -作業は1人でした?

市「市政情報センターからの持ち出しは、BIPROGY関西支社(B社)の再委託先の社員=USBメモリーを紛失=が1人でしていた。入室管理などは行っているが、市職員は立ち会っていない」

B社「社員は40代半ば。20年近く尼崎市の業務に携わっていた。過去に問題はなかった」

-個人での持ち出しには許可が必要だったほか、データを移した後に消去するのも怠っている。

市「事業所外でのデータ処理は許可しており、その際にパスワードをかけることや暗号化処理は規定している。だが、今回USBメモリーを個人で持ち出す許可はしていなかった」

B社「USBメモリーでの持ち出しに許可が必要なことや、データをその場で速やかに消去することなど、明確に再委託先の社員に指示ができていなかった。本来絶対に守らなければならない事柄だった」

 -そのまま飲みに行った。

 B社「作業後はすぐ帰社するのが決まりだったが、守られていなかった。コールセンターでB社社員3人が一緒に作業し、B社社員が居酒屋に立ち寄ろうと持ちかけた。21日午後7時半~10時半ごろまで4人で食事や飲酒をし、最寄り駅で別れた。当時は泥酔しているようではなかったが、その後、再委託先の社員は一人で徒歩で帰宅中に路上で寝てしまい、午前2、3時に目覚めたところ、USBメモリーが入ったかばんが無いのに気付いた」