〝砂漠の天使〟スナネコ「ペットにしたい」人へ 動物園が込めた本音:
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2022/7/8

エサは生肉、気性は荒い、人になつかない…

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那須どうぶつ王国が新たに発表したミュージックビデオ(MV)「スナネコのうた」
出典: 「スナネコのうた」より

水野 梓

目次

・「動物のうた」シリーズの構想
・「ペットにしないで!」
・やっぱり「眺めて愛でましょう」

「中毒性がある」とSNSで話題になった那須どうぶつ王国のミュージックビデオ「マヌルネコのうた」。その〝シリーズ続編〟となるMV「スナネコのうた」が発表され、早速話題を呼んでいます。しかし反響の一方で、制作したクリエイターには「ある葛藤」があったといいます。その裏側を取材しました。

「動物のうた」シリーズの構想
「なつかない」「気性は荒い」「可愛いからってなめないで」――。

異国情緒あふれるアラビアンな曲調に、エサにかみついたり飛びかかったり……といったスナネコの獰猛な動きも紹介される「スナネコのうた」。7日に那須どうぶつ王国のYouTubeアカウントで発表されました。

MVをつくったクリエイターの富永省吾さんは「実は1曲目の『マヌルネコのうた』の企画書を作った時から、一発で終わらせるつもりはなかったんです」と明かします。

「『動物のうた』シリーズを想定していて、企画書に『スナネコのうた』も制作したいと盛り込んでいました」

「砂漠の天使」だからこそ…
SNSで拡散され、話題になった1曲目「マヌルネコのうた」は、昨年4月にアップされました。

「最古なネコ」「短いあんよを見せてやんよ」。リズミカルな歌にあわせ、マヌルネコならではの独特の動きや、那須どうぶつ王国で飼育されている2匹の特徴がコミカルに紹介されます。

YouTubeだけでも250万回を超えて再生されています。

すでに話題を呼ぶ2曲ですが、富永さんは「マヌルネコとスナネコでは、全く違う目的で『うた』を作りました」と振り返ります。

「制作当時、マヌルネコはあまりメジャーな存在ではありませんでした。『まず認知してもらおう』『生息環境の悪化や絶滅の恐れがあることを間接的に伝え、保全につなげよう』と考えたんです」

一方のスナネコは、大きな耳と瞳が特徴的で、「砂漠の天使」という別名もあるほど。メディアなどでも「かわいい」とたびたび取り上げられ、人気の高い動物です。

一見「かわいい」スナネコだからこそ、危惧されているのが「ペット化」なのです。

富永さんは「どことなく家猫とも似ていますし、知名度があるだけに『ペットにしたい』という需要が高まってしまう恐れがあり、喫緊の課題となっています」と指摘します。

「ペットにしないで!」
かわいい見た目に反して、警戒心が強くて気性が荒く、人に懐かないスナネコ。ペットには不向きです。

しかし野生動物の保護団体「WWFジャパン」は、すでにスナネコがペットとして販売されている実態を報告しています。

今後ペットブームになってしまった場合、絶滅の危険性がさらに高まる恐れがあると指摘し、「スナネコをペットにしないで!」と訴えています(https://www.wwf.or.jp/staffblog/diary/4777.html)。

那須どうぶつ王国・総支配人の鈴木和也さんは、「コツメカワウソもペットとしての需要が高まったことから、個体数が減って絶滅の恐れが高まり、ワシントン条約で『商業目的の国際取引が禁止される種』に引き上げられました。スナネコを同じような境遇にしてはなりません」と訴えます。

「保全評価で高リスク種ではありませんが、スナネコが希少動物であることに変わりはありません」

「野生ならでは」を想起
ことし2月、那須どうぶつ王国でスナネコのお母さん・ジャミールから子猫3匹が生まれたタイミングで、「スナネコのうた」の制作が決定。

富永さんは「野生に生息するスナネコ」を感じてもらえるよう苦心しました。

(略)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。