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小池百合子都知事は“静観”(C)日刊ゲンダイ

コロナ再拡大「8月3日に都内5.5万人」予測 それでも岸田政権と都はグズグズ静観の無責任
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/307984

 驚異的なペースで新型コロナの感染が広がっている。7日の都内の新規感染者数は8529人。先週同曜日から2.4倍である。

 7日の都のモニタリング会議によれば、都内の新規感染者数は現在のペースで拡大すると、8月3日には5万4902人に達するという。第6波のピーク時の2倍超に上る計算だ。従来のオミクロン株「BA.2」から、感染力が約1.2倍といわれる「BA.5」への置き換わりが急拡大の要因とみられている。

 BA.5は都内の新規感染者の33.4%を占め、主流になりつつある。7日時点で都内の重症者は23人にとどまっているが、BA.5が主流となっている米国では、入院患者が3日までの1週間で33%も増加。約3万人が入院している。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。

「懸念はワクチンの感染予防効果が下がってきていることです。BA.5はBA.2に比べ、ワクチンの有効性が更に落ちるとも言われています。BA.5の重症化率もハッキリしていません。都内の新規感染者の6割を若者が占めていますが、感染が高齢者や基礎疾患のある方に広がったらどうなるか」

 ワクチンの2回接種では、ほぼ効果がないとも指摘されている。

 急速な感染拡大に岸田政権は、「現時点で都道府県からまん延防止等重点措置の要請はなく行動制限を行うことは考えていない」(木原官房副長官)と静観の構え。一方、都は重点措置について「国の動向、専門家の判断を踏まえる」と留保。互いに判断を相手に委ねている。参院選に影響する恐れがあるため、政府も都も重点措置などの規制は選挙後まで見送るつもりだ。

 しかし、このまま感染が広がれば、政府や都が対策を打つ前に自粛ムードが広がり、観光地や外食産業は今年の夏も打撃を受けかねない。