「早川は統一教会の信者」の衝撃

捜査当局がオウム教団から押収した資料の中に、「オウム真理教内の統一教会信者名簿」があった。これは、統一教会の合同結婚式に参加したオウム信者たちの名簿と見られ、統一教会信者と同姓同名という二十三人の名前が書かれてあった。

オウム教団内には、創価学会や阿含宗など他の宗教団体から加わった信者が多く、新左翼などの脱会組もいると言われている。「他宗教からの参入組の中には、明らかにスパイと見られる者もいたようで、村井がスパイ探しに躍起になり、信者に次々とポリグラフをかけ、調べていたとの情報を得ている」公安関係者は、そう明かす。

その名簿の中に、麻原とほぼ同時期に、阿含宗からオウムに入信したとされる女性の名前が含まれていた。その女性は、後に総選挙に立候補するのだが、八六年二月から六月まで住民登録していた東京・世田谷の民家は八二年秋、統一教会会長だった久保木修己が借りたものであった。

統一教会の施設が移転した後も系列の団体が契約しており、不思議なことに、その後に入居したのが「株式会社オウム」なのだ。

このほか、麻原が一時、住民票を移した東京・杉並のマンションの所有者は、国際勝共連合の会合に出席したり、機関紙に投稿するなど近い関係とされる国会議員であった。