2022/7/20 05:00

大阪府富田林市の小野優陽(ゆうは)ちゃん=当時(2)=が自宅に放置され、熱中症で死亡した事件で、保護責任者遺棄容疑で逮捕された祖母らが不在だった約2日間、自宅にいた四男(15)が大阪府警の調べに「(優陽ちゃんに)水を1回だけ飲ませた」という趣旨の説明をしていることが19日、捜査関係者への取材で分かった。司法解剖で優陽ちゃんの胃に固形物はなく、最後の食事から半日以上が経過しており、四男は通学などで世話をほぼしていなかったとみられる。

また、祖母らが優陽ちゃんの手足を粘着テープで縛って外出後、「自宅に2日間一度も戻らず、食事の用意もしていなかった」と供述していることも判明。大阪地検は勾留期限の20日にも刑事処分を判断する。

府警によると、逮捕されたのは、祖母の小野真由美(46)と内縁の夫、桃田貴徳(50)の両容疑者。2人は当初、「(死亡当日の)6月29日早朝に外出した」と説明し、優陽ちゃんを乳幼児用の柵「ベビーサークル」内に約11時間放置したとして府警に逮捕されていた。

捜査関係者によると、小野容疑者は当初の説明を一転させ、6月27日午後、優陽ちゃんの手足をテープで縛って外出したと供述した。2人は、27日から大阪市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)近くのホテルに連泊。29日午後4時過ぎに四男から連絡を受けるまで一度も自宅に戻らず、「食事などの用意はしていなかった」と供述した。

2人が不在の間、優陽ちゃんとともに在宅していた四男は「1回だけ水を飲ませた」などと説明。優陽ちゃんの手足の拘束については「(容疑者から)指示を受けて切った」と話し、自宅から丸められた状態のテープが見つかった。四男は高校への通学や塾などで世話をせず、優陽ちゃんはおむつをはかされたまま不衛生な環境に置かれていた。

優陽ちゃんが死亡するまで、富田林市の最高気温は連日30度を超えていたが、柵内に飲食物は置かれていなかった。28度に設定されていたエアコンの稼働状況についても、四男は当初「ついていた」と説明したが、その後は「覚えていない」と話しているという。

優陽ちゃんが放置された柵には2つに折り畳める上蓋もあり、半分開いた状態で設置されていたが、桃田容疑者は「外した」と説明している。小野容疑者は「育児のストレスがあった。過去にも優陽を縛って柵内に放置した」と供述しており、府警は育児放棄の実態解明をさらに進める。

ソース https://www.sankei.com/article/20220720-NIONYCUACFKQJHCGZTBCKJHFOA/?outputType=amp