0001ごまカンパチ ★
2022/07/21(木) 01:31:55.34ID:iNjB2MEs9■がん細胞が睡眠関連ホルモンに直接反応、新たな検査法や治療法につながる可能性も
人間の脳に内蔵された体内時計の親時計(マスタークロック)は、夜眠って朝目覚める24時間周期のタイマーとして働くだけでなく、
日々のホルモンの量を管理する、体温を調節する、空腹を知らせる、消化のスケジュールを決めるといった、何百種類もの生理的機能に関わっている。
今回、乳がんの患者を対象とした新たな研究により、がん細胞がこうしたホルモンサイクルの影響を受け、患者が眠っている間により広がっていることが明らかになった。
がん細胞は、もともとの腫瘍から細胞が離れて、血管の壁を越えた後、血液系やリンパ系を通じて遠くの組織まで移動することによって新しい場所へと広がっていく。
この「転移」が、がんによる死亡の大半を引き起こす。
こうした「血中循環がん細胞(CTC)」はこれまで、一日中ずっと血流中に出ていると考えられてきた。
しかし、6月22日付けで学術誌「Nature」に発表された新たな研究により、乳がん患者の場合、CTCの大半が睡眠後期の日の出直前に放出されることが示された。
「患者が眠っているとき、腫瘍は目を覚ますのです」と、同研究を主導したスイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校の分子腫瘍学者ニコラ・アセト氏は言う。
論文の筆頭著者であるがん細胞生物学者ゾーイ・ディアマントプールー氏は、
「われわれは生体組織診断のタイミングが、より良い診断のためには非常に重要であることを実証しました」と述べている。
科学者らは、この研究が、がんが睡眠や休息によって引き起こされることを示すものではないと強調している。
同研究が示しているのは、いったんがんができると、その進行は睡眠とそれに関連するホルモンの影響を受けるという点だ。
「すでにがんを持っている患者にとって、しっかりと睡眠をとることは、体のその他の部分を強く保って治療に耐えたり、病気を撃退したりするうえで不可欠です」
と、論文の解説記事を「Nature」の同じ号に寄稿した米ミシガン大学の大学院生ハリソン・ボール氏は言う。
睡眠は、がんから身を守るための強い免疫系を促進する。
「免疫系は、人が十分な休息をとったときに最もよい働きをします」と、米ミシガン大学アナーバー校の化学エンジニア、スニタ・ナグラス氏は述べている。
今回の研究は、がん生物学における重大な知識の隙間を埋めるものだと、フランス、パリ・サクレー大学の腫瘍内科医で、
30年間にわたって概日(がいじつ、約1日周期)リズムが健康と病気にどのように影響するかを研究してきたフランシス・レビ氏は言う。
「臨床医に時間帯の重要性を認識してもらうには、この先まだ数十年はかかり、また臨床試験も必要になるでしょう」と語るのは、
スイス、ジュネーブ大学の免疫学者クリストフ・シャイアマン氏だ。
それでも、この研究結果をもとに、夜間に血液を採取することは、がんの診断にとってすぐにでもできる重要なことではないかと、氏は考えている。
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