【経済コラム】

2022年7月22日 17時33分

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化し、欧米や中国の景気減速も懸念されるなか、世界経済の先行きはますます見通しにくくなっています。
こうしたなか景気の先行きを占ううえで注目されるのが「カッパー」。
もちろん、きゅうりが大好きなあの妖怪ではありません。
Copper=銅のことです。
世界経済の変調をいち早く診断する“ドクター・カッパー”とも呼ばれる銅の価格。そこから見えてくるものとは?(経済部記者 仲沢啓)






銅の価格で景気の先行きを見通せるのはなぜ?

“ドクター・カッパー”の景気診断、気になるところですが、その前に、その実力から見ていきましょう。

そもそもどうして銅の価格から景気の変調を知ることができるのか、それは銅が幅広い用途で使われ、企業のさまざまな経済活動に関わっているからなんです。

銅は電気を通しやすく、加工しやすいという特徴があります。

電線や電子機器、家電製品からEVまで私たちの身の回りにある幅広い製品に使われています。

こうした製品の販売が増えると見込まれると、銅の需要が拡大するという思惑が広がり、その結果、価格が上がります。

それでは“ドクター・カッパー”はどこに現れるのか。

世界で取り引きされる銅の価格の指標となっているのは、LME=ロンドン金属取引所で取り引きされる銅の3か月先物。

つまり、未来の企業活動や製品の販売動向を見通して、そこで使われる銅の需要が価格に反映されるのです。





銅価格と世界経済
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220722/k10013728661000.html