2022/07/22 21:59
この記事をスクラップする
 考古学界の重鎮で、明治大学名誉教授の大塚初重(おおつか・はつしげ)さんが21日、肺炎で死去した。95歳だった。一般の焼香は27日午後4時、千葉県成田市吉倉124の11八富成田斎場。喪主は長女、小笠原文恵さん。

 東京生まれ。専門は弥生・古墳時代。戦後初めての大規模な発掘調査として知られる登呂遺跡(静岡市)の発掘に参加し、その後、金銅製の冠が出土した 三昧塚(さんまいづか)古墳(茨城県)や、鮮やかな彩色壁画が見つかった虎塚古墳(同県)など、東日本の古墳を中心に、数多くの発掘を手がけた。

 明治大学文学部長や、日本考古学協会長を歴任した。一般向けの書籍も多く著し、考古学ブームを引っ張った。2007年には、作家の五木寛之さんとの共著「弱き者の生き方」で、戦時中に海軍軍人として乗った船が撃沈されて九死に一生を得た体験を明かし、話題となった。

 晩年も市民向けの講座などで考古学を語りながら、「歴史を塗り替えた日本列島発掘史」「土の中に日本があった」などの著書を刊行していた。

https://www.yomiuri.co.jp/culture/20220722-OYT1T50235/