●統一教会とオウム真理教と北朝鮮の関係 『週刊現代』1995年5月27日号

「実は91年晩秋に、麻原と会談した事がある。会談に先立って、意外な事実を掴んだんです。麻原の父親は朝鮮から日本へ渡ってきた人だったんです」
 
「朝鮮半島のキリスト教史を見ると、現地に昔からあった土俗宗教に異文化であるカトリックが侵入し、土俗宗教が危機に陥った結果、
両者が融合された『危機宗教』というのがある事が分かる。この『危機宗教』の1種に、朴泰善が起こした伝道館(長老教ともいう)があった。
伝道館では、信者は1カ所に集められ毛布や醤油を作って生計を立てているんですが、その収入は全て教祖に入ってしまう。
 この朴泰善の『集金システム』を受け継いだのが、文鮮明の統一教会なんです。そして、オウムも朴泰善・伝道館の支流だろうと思われます。
 というのも、伝道館では一カ所で生活する際、信者に財産の全てを寄進させている。血分けの儀式も『危機宗教』独特のものです。
つまりオウムは、このやり方を露襲しているのです。朴泰善・伝道館を『父』とするなら、オウム真理教と統一協会とは『兄弟』のような関係といえるでしょう」

 だが、まさか北朝鮮と伝道館とは関係あるまい、と思うと、栗本氏によればそうではなかった。故・金日成の父親は「伝道館の源流ともいえる教団の信者」だった。
 金日成の叔父は朝鮮キリスト者連盟の中央委員長で、祖父は西欧のキリスト教信者を迫害してカルト性を加えた人物。
 朝鮮半島のキリスト教は反日運動の拠点であった事は有名だが、麻原が生まれた熊本は日本での明治維新後のキリスト教発祥の地。
 こうも色々な事が符号すると、「北朝鮮ー>統一協会ー>オウム真理教」は一本の線で繋がる。

「オウムの『反日本社会的意識』はそこに根ざしていると考えられる。決して『革命』とか解脱とかカッコイイものではない。
又北朝鮮にとってオウムは、利用するだけの価値があったのではないか。
麻原は3年間だけ阿含宗にいましたが、宗教法人の経営を学ぶ為の入信だろうと思います。
 この阿含宗から麻原が脱会するとき、統一教会から送り込まれていた人物が麻原についていったという確かな情報もある」

文鮮明と金日成
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